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大震災後発生後から丁度1ヶ月目-今回の地震備忘録等

平成23年 4月12日(火):初稿
○平成23年4月11日は、3月11日の大震災発生から丁度1ヶ月目です。私の住む仙台市青葉区の震度は6弱と公表されていますが、その後、連日のように小さな余震が続いていたところ、4月7日午後11時32分に大震災と同じ震度6弱と公表されるその時点では最大の余震が起こりました。就寝中であった私も揺れの大きさに驚いて目が覚め、飛び起きましたが、3月11日大震災の6割程度書籍・食器類が落下し、結構重い台所の特注テーブルも数㎝移動していました。

○このような大震災とその後の余震が続くメカニズムの基本的なことは知識として得ておくべきと思っていたところ、産経新聞の平成23年4月10日配信記事で分かりやすい解説がありましたので、備忘録として残します。

以下、要点です。
・東日本大震災は、太平洋プレート(岩板)と陸側の北米プレートの境界で発生した海溝型地震。
  三陸沖から茨城県沖にかけての日本海溝の西側(陸寄り)で発生し、北米プレートが跳ね上がった。
・地震の規模はマグニチュード(M)9.0で、日本列島の周辺で起きる地震としては観測史上最大
  震源域は南北約450キロ、東西200キロ
  複数の震源域が連動して想定を超える巨大地震になった可能性
・最大震度7の激しい揺れを起こした今回の地震だが、揺れによる建造物の被害は意外に少ない。




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過去に例ない広域「大連動」 列島に傷痕深

 

東北地方の太平洋沖を震源とする東日本大震災は、太平洋プレート(岩板)と陸側の北米プレートの境界で発生した海溝型地震だ。地震の規模はマグニチュード(M)9.0で、日本列島の周辺で起きる地震としては観測史上最大。東北地方の太平洋岸は地震・津波の多発地帯だが、これほど広範囲に津波被害を及ぼす巨大地震は想定されていなかった。

地球の表面は十数枚のプレートで覆われているが、このうちの4枚が日本列島付近でせめぎ合っている。特に、太平洋プレートが北米プレートの下に潜り込む千島・日本海溝沿いと、フィリピン海プレートが陸側プレートの下に潜り込む相模・南海トラフ(浅い海溝)沿いは、海溝型地震が起きやすい。

 3・11の巨大地震は、三陸沖から茨城県沖にかけての日本海溝の西側(陸寄り)で発生し、北米プレートが跳ね上がった。気象庁などによると、地震活動は3段階に分かれ、最初の破壊は宮城県沖から三陸沖へ北向きに進み、その後、南に向かって福島県沖、茨城県沖の震源断層が動いた。強い地震波は5~6分も持続し、阪神大震災(平成7年)の16秒よりもずっと長かった。

 震源域は南北約450キロ、東西200キロに及ぶ。海上保安庁によると、宮城県沖の震源海底は地震前に比べて24メートルも東に動いた。東北大学の観測では、震源付近の海底は約5メートル盛り上がったと推定される。また都司嘉宣・東大准教授の現地調査では、岩手県宮古市で標高37.9メートルの地点まで津波が到達していた。約2万2000人が犠牲になった明治三陸津波(明治29年)と同等以上の史上最大級の津波だった。

 政府の地震調査委員会はこれまで、宮城県沖の海溝型地震(M7.5前後)が30年以内に起きる確率を99%と推定。東側の震源域(三陸沖南部)と連動した場合はM8.0となって津波被害の恐れもあるとしていた。しかし、三陸沖から茨城県沖までの「大連動」は過去に例がなく想定外だった。

 最大震度7の激しい揺れを起こした今回の地震だが、揺れによる建造物の被害は意外に少ない。建物被害を増大させる「キラーパルス」と呼ばれる周期1~2秒の地震波が、地震の規模のわりに弱かったためで、周期0.5秒程度の短周期の地震波が相対的に強かった。

 一般に、地震の規模が大きいと長周期の地震波が強く放出されるが、数秒以上の長周期地震動もあまり強くなかった。

 数十年周期でM7~8級の海溝型地震が発生する東北地方の太平洋沖で、「大連動型」の巨大地震はどんなメカニズムで起きたのか-。地震研究者は大きな課題を突きつけられた。

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想定の90倍規模「日本海溝のほぼ全域が同時に壊れた」
【東北・太平洋沿岸地震】
 今回の地震は、太平洋プレート(岩板)が、東北地方を乗せた北米プレートの下に潜り込むことによって起こる「海溝型地震」だ。
 政府の地震調査委員会では、宮城県沖、三陸沖南部、福島県沖で起こる海溝型地震については、マグニチュード(M)7・5規模を想定していた。しかし、今回の地震の規模はM8・8と想定を大きく上回った。

東京大学地震研究所の古村孝志教授は「M8・8は、想定されていたM7・5のエネルギーの約90倍に当たる。1707年の宝永地震(M8・6)の2倍で、国内では最大級だ」と指摘。「プレート境界面が南北200~300キロメートル、東西100~150キロメートルにわたり、十数メートルずれたと想定される」と説明する。

 気象庁でも、地震によって、岩手県から茨城県に至る南北400キロ、東西200キロの断層帯が破壊された可能性が高いとみている。

 想定を上回る規模となったことについては、複数の震源域が連動して想定を超える巨大地震になった可能性がある。

 東北地方の太平洋プレートは年間約8~10センチの速度で陸側へ移動しており、沖合約200キロにある日本海溝から、陸側の北米プレートの下へ沈み込む。2つのプレート境界に蓄積されたひずみが限界に達すると、境界部分が壊れて大地震が起きる。今回の地震もこの仕組みで発生し、メカニズムは地盤が東西に圧縮される逆断層型だった。

 宮城県沖地震は陸に近い海域と、沖合の日本海溝に近い2つの震源域がある。過去の地震の規模は、陸寄り単独の震源域だとM7・4程度だが、日本海溝に近い震源域も連動すると大規模になり、過去200年で唯一の連動型だった1793年はM8・2で、大津波が発生した。

 海溝型地震に詳しい京都大防災研究所・地震予知研究センターの橋本学教授(測地学)は、今後の詳しい解析が必要とした上で、「約200年ぶりに連動型の宮城県沖地震が起きた可能性がある」と指摘する。

 ただ、地震調査委は連動型をM8・0前後と想定しており、今回の規模はさらに大きい。プレート境界が想定を超える広範囲で破壊され、国内最大規模につながった可能性がある。

 橋本教授は「過去にない事態だ。日本海溝のほぼ全域が同時に壊れた印象で、とんでもないことが起きた」と話す。気象庁は「現時点で関係は分からない」としている。

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