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岡山元弁護士巨額横領事件第1回債権者集会報告雑感

平成25年 6月 9日(日):初稿
○「岡山元弁護士巨額横領事件の見通し等-立替金回収が重要」の続きです。
ここで「現在破産管財人が、100人以上に対する10億円を超える立替金についてデータを集めて返還請求等をしていると思われますが、何割を回収できるかがポイントです。」と述べていました。巨額の横領をするまでの追い詰められていた以上、金融資産は殆どなく、不動産は担保設定で剰余価値がなく、換価価値ある資産としては立替金返還請求権くらいしかないだろうと予測されたからです。

○ところが、以下の読売新聞・毎日新聞記事によると広島弁護士会所属弁護士の破産管財人が、「債権者への配当に充当できる福川被告の資産は不動産や生命保険などを含めて4000万円程度」と報告したそうです。果たして岡山弁護士会所属弁護士が破産管財人に就任したのかどうか興味あるところでしたが、おそらく皆さん辞退されて隣の広島弁護士会の弁護士に回ったようです。

○最も肝腎の立替金ですが、破産管財人の説明では、着服金の使途について、大半が(元弁護士の訴訟の依頼人らに渡していたとされる)立替金であり、総勘定元帳で金の流れを精査しているもまだ明らかになっておらず、立替金の内回収できそうなものは、回収する努力をしているとのことです。この説明では上記配当資産4000万円の中に立替金返還請求権は入っていないようにも見えます。読売・毎日記事を合わせると、現時点で回収した資産が2400万円で、今後回収確実な小規模企業共済金約1600万円と合計した金額が4000万円と読めるからです。

○被害者の会の会長さんは、「金はほとんど残っておらず、気が抜けてしまった。今回の説明では、誰にどれほどの金が流れていたのかも分からない。これから内容をしっかりと勉強し、破産管財人と岡山弁護士会に説明を求めていきたい」と話したそうで、おそらく膨大な量の報告書が提出されたと思われます。現時点での確実な配当原資4000万円に立替金返還請求権回収資産がどの程度になるかが最終配当率のキーポイントになります。

○この立替金について岡山弁護士会検証委員会報告書の元弁護士本人談では「人数にすると100人を超え、支払った金額は優に10億円を超える」とのことですが、立替金10億円の内から返還請求が可能なものをシッカリと選別して、厳しく取立をして回収を実現すべきと思われます。しかし、これには破産管財人に対する元弁護士の真摯な協力が不可欠なところ、これが余り実現出来ていないようにも見えます。

○元弁護士への破産債権届出は16億2000万円とのことですが、内顧客に対する預り金返還債務がどの程度になるのか、仮に一般配当債権額が16億円として配当原資が4000万円プラスアルファ程度とすれば配当率は僅か2.5%です。1億円の損害賠償金丸々横領された被害者の方に250万円しか配当されず、余りに気の毒です。10億円の立替金から少しでも多く回収して配当に加えて頂きたいところです。

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横領 総額16億円超か・・・公判中の福川元弁護士
(2013年6月8日 読売新聞)


<債権者届け出 弁済「かなり厳しい」>

 民事訴訟の賠償金など計約9億円を着服したとして、業務上横領罪に問われて公判中の元弁護士・福川律美被告(65)についての債権者集会が7日、地裁で行われた。負債総額は算定中だが、横領被害を受けたとする個人や金融機関など188人・団体が破産管財人に債権者として届け出ており、申告の総額は約16億2000万円に上るという。次回の集会は10月15日の予定。

(三島浩樹、楢崎基弘)

 破産管財人を務める本田祐二弁護士(広島弁護士会)によると、会場には債権者やその代理人ら約50人が出席。債権者への配当に充当できる福川被告の資産は不動産や生命保険などを含めて4000万円程度とみられることなどを報告した。

 閉会後、本田弁護士は記者団に対し、着服金の使途について「遊興費も一部あったようだが、大半が(福川被告が訴訟の依頼人らに渡していたとされる)立替金。総勘定元帳で金の流れを精査しているが、まだ明らかになっていない」と説明した。

 債権者への弁済については、「現時点ではかなり厳しい」としたうえで、「立替金のうち、回収できそうなものは回収する努力をしている」と話した。

 一方、「岡山弁護士被害者の会」の越宗攻次会長(68)は「金はほとんど残っておらず、気が抜けてしまった。今回の説明では、誰にどれほどの金が流れていたのかも分からない。これから内容をしっかりと勉強し、破産管財人と岡山弁護士会に説明を求めていきたい」と話した。


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弁護士横領:188件、16億2400万円 地裁で第1回債権者集会
毎日新聞 2013年06月08日 地方版


 岡山弁護士会に所属していた元弁護士、福川律美被告(65)=業務上横領罪などで公判中=による巨額横領事件を巡り、破産した福川被告の第1回債権者集会が7日、岡山地裁であった。破産管財人の本田祐二弁護士の報告で、福川被告に対する債権届け出の総額は計188件、約16億2400万円に上ることが明らかになった。

 集会には債権者や代理人弁護士ら約50人が参加。福川被告は体調不良を理由に出席しなかった。本田弁護士によると、配当できる福川被告の資産は生命保険の解約金や不動産など約2400万円。今後、事業をやめたり退職した時などに支払われる小規模企業共済金約1600万円も回収できる見込みだが、十分な弁済をするには厳しい状況だという。

 また、横領金の使途について、福川被告は「依頼人に頼まれた立て替え払いを繰り返すうちに、請求される金額がふくれあがり、賠償金に手を出した」と話しているという。

 次回の債権者集会は10月15日の予定。本田弁護士は「依頼人に渡った立て替え金を少しでも回収できるよう努力したい」と話した。【原田悠自】

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