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台湾のコロナ対策が爆速である根本理由”閣僚に素人がいない” 紹介1

令和 2年 5月 9日(土):初稿
○「プレジデントオンライン(POL)」の令和2年4月4日付記事「台湾のコロナ対策が爆速である根本理由「閣僚に素人がいない」 紹介」に感銘を受けました。以下、まとめ備忘録1です。

○台湾では、行政のトップである各閣僚には国会議員は一人もおらず、全てその道の専門家であると言う点が日本の議院内閣制と全く異なっており、それが今回の世界的に評価されているコロナ対策を生んだとのことです。政治システムの違いであり、現在の日本で同様の制度にすることは不可能ですが、台湾の制度の方が極めて合理的と感じました。

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台湾のコロナ対策が爆速である根本理由「閣僚に素人がいない」 紹介1
プレジデントオンライン(POL)2020/04/04 11:00


新型コロナウイルスへの対応の速さで、台湾政府は世界的に評価を高めている。なぜそこまでスピーディなのか。台湾の政府系シンクタンクで長年顧問を勤めていた藤重太氏は、「日本は論功行賞などで素人でも大臣になってしまうが、台湾はその分野のプロでなければ大臣にはならない。この政治システムが最大の理由だ」と指摘する——。

「国民を守れる国」は何が違うのか
事態の悪化に先んじる迅速な決定、次々と打ち出される合理的できめ細やかな措置。厳格な防疫態勢、マスクの配給システムや国民への積極的な情報公開、さらに中小企業やアーティストへの支援策まで、台湾の新型コロナウイルス禍への対応は今や世界的に評価されている。

それは単に台湾の人口が少なかったり、国土が小さかったり、たまたますごい人物が政権の中枢にいたからではない。「強い政府、機能する行政、国民を守れる国」の秘密は、台湾という国家の仕組みそれ自体にあった。日本とはどこが違うのか。今回の記事では、その本質に迫りたい。

「たまたま優れた人材がいたから」ではない
今回の対コロナ対応で、台湾が迅速に決定を下し、行政が有効に行動できたのは、もちろん蔡英文総統、陳建仁副総統、蘇貞昌行政院長(首相)、陳時中衛生福利部長(厚労大臣)、唐鳳IT担当大臣など、素晴らしい人材の存在があったことは間違いない。また、2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)危機を経験した結果、必要な法整備がすでに整えられていたことも、あっぱれと言うほかない。

しかし、こうしたリーダーや法律があったから、台湾は今回の新型コロナウイルス禍に効果的に対応できたのだろうか。あるいは、中国と敵対していたから厳重な姿勢で取り組めたのだろうか。否、日本では誰も着目しない台湾の政治システムにこそ、強さの秘密があるのではないかと筆者は考える。

台湾では国民の直接選挙で選ばれる総統が行政院長(首相に相当)を決め、その行政院長が中心となって閣僚を任命する。最大の特徴は、「大臣」に相当する人々が誰ひとり「国会議員」ではないという事実だ。行政院長や部長・政務委員(大臣)は、立法委員(国会議員)ではないのだ。

「立法府の人間が行政府を兼任? それで監督できるのか」
・日本では、組閣の際にはどの国会議員が入閣するのかが話題になる。大臣の過半数を国会議員から選ぶ
・この事実を台湾の政治に詳しい友人に聞いてみたところ、「立法府の人間が行政府を兼任して、どうして正しい監督監査ができるのか」と逆に質問
・行政府(内閣)は、国家の行政運営をつかさどる-「行政活動」の主体
・立法府(国会)は、国家管理に必要な法律の制定と、行政院がつくる予算の審議、そして行政活動の監督と会計監査をするところ
・予算が立法院で通過すれば、行政機関は予算を計画通り遂行、結果が悪ければ、立法院(国会)で厳しく質問監査され、行政責任が追及される

台湾の「防疫ヒーロー」たちはどこから来たのか
対コロナ対応で獅子奮迅の活躍をした台湾の高官の筆頭陳時中氏(67)
衛生福利部部長(厚労大臣に相当)であり中央伝染病指揮センターの指揮官。本来の職業は歯科医師。41歳の時に歯科医師会全国連合会の理事長、台湾の歯科治療の保険制度推進などに尽力。その後、行政院衛生署副署長、総統府国策顧問などを経て、2017年2月に64歳で衛生福利部(厚生労働省)の部長(大臣)に就任。民間での活動で能力が認められ、行政府に引き上げられた人材。

台湾を「マスク生産大国」にした男沈栄津経済部部長(経産大臣に相当)
一方、マスクの輸出禁止や増産体制などを整え、マスク不足問題の解決に活躍したのが、だ。彼は台湾国内におけるマスクの増産体制を作り上げるため、全国の工作機械組合、精密機械センター、マスク生産業者、紡績所、その他研究団体など30以上の企業と国家組織をまとめて、構築に3カ月から半年かかるといわれた60本のマスク製造ラインを、わずか1カ月で完成させた。

現在、台湾は1日1300万枚の生産量を持つ、世界第2位のマスク生産大国になっている。 先日、蔡英文総統はそのマスクを米国に200万枚、イタリア・スペインなどヨーロッパに700万枚、国交のある国々に100万枚送ると発表している。
この沈経済部部長も、立法委員ではない。電気工学やオートメーション化技術を学び、経済部に入省した官僚出身者だ。経済・産業行政を担当する官僚として地道にキャリアを積み上げ、科長、組長、局長、次長などを経て、大臣にあたる部長にまで登り詰めた。経済官僚として培ってきた人脈と経験が、今回のプロジェクトの成功に大いに役にたった。

唐鳳政務委員(無任所大臣、IT担当大臣)
全国のマスクの在庫一覧システムを作るための情報を民間IT企業に公開し、政府の情報を国民に効率よく伝えるために活躍。8歳からコンピュータープログラミングに興味を持ち、ずば抜けて知能が高く、逆に既存の学校教育になじめずに14歳で中学校を中退。高校にも大学にも進学しなかったが、独学でプログラミングを学び、16歳で液晶ディスプレイやプロジェクターの世界的大手、台湾明基公司(BenQ)の顧問になるなど、IT関連企業の要職を経験。33歳のときに一度アーリーリタイアを宣言している。

その後、行政院国家発展委員会のバーチャルワールド発展法規調整計画の顧問に就任し、デジタル社会での国家の役割や可能性などについてアドバイスをしている。その1年数カ月後の35歳の時に、行政院政務委員(内閣無任所大臣)に任命された。台湾のIT・デジタル社会構築政策を担うにふさわしい、余人をもって代えがたい才能の持ち主だと、国家(任命したのは行政院長)が判断したからだ。

副総統の陳建仁氏
公衆衛生学の分野では世界トップの米ジョンズ・ホプキンズ大学公衆衛生大学院で博士号を取得した人物であり、2002~2003年のSARS危機の際には、行政院衛生署長として大活躍した。この陳副総統も、前述の唐鳳氏も、立法委員ではない。

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