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死者を葬る法律手続概観-基礎的条文紹介2

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平成29年 3月15日:初稿
○「死者を葬る法律手続概観-基礎的条文紹介」の続きです。
今回は、死者を葬る手続を怠った場合等の罰則を補充します。
人がなくなった場合、戸籍法第86・87条で死者の同居の親族等届出義務者は、死亡診断書又は検案書を添付して7日以内に死亡の届出をしなければなりません。この7日以内の届出を怠った場合は、戸籍法第135条「正当な理由がなくて期間内にすべき届出又は申請をしない者は、5万円以下の過料に処する。」との規定が適用され、過料5万円となります。

○過料は、罰金同様金銭を徴収する制裁の一つです。しかし、刑法に定められた刑罰ではない行政罰と言われていますが、裁判所の命令で課される場合もあります。過料の金額は法律・条例等で定められており、1万円未満と定められている刑罰の科料と異なり100万円の高額過料もあります。

非訟事件手続法第119条(管轄裁判所)
 過料事件(過料についての裁判の手続に係る非訟事件をいう。)は、他の法令に特別の定めがある場合を除き、当事者(過料の裁判がされた場合において、その裁判を受ける者となる者をいう。以下この編において同じ。)の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

(過料の裁判の執行)
第121条
 過料の裁判は、検察官の命令で執行する。この命令は、執行力のある債務名義と同一の効力を有する。

地方自治法
第231条の3
(督促、滞納処分等)
 分担金、使用料、加入金、手数料及び過料その他の普通地方公共団体の歳入を納期限までに納付しない者があるときは、普通地方公共団体の長は、期限を指定してこれを督促しなければならない。

第255条の3 普通地方公共団体の長が過料の処分をしようとする場合においては、過料の処分を受ける者に対し、あらかじめその旨を告知するとともに、弁明の機会を与えなければならない。


会社法には100万円以下の過料がゴロゴロしています。

会社法第978条 次のいずれかに該当する者は、100万円以下の過料に処する。
一 第6条第3項の規定に違反して、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字をその商号中に用いた者
二 第7条の規定に違反して、会社であると誤認されるおそれのある文字をその名称又は商号中に使用した者
三 第8条第1項の規定に違反して、他の会社(外国会社を含む。)であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した者


(参考)
刑法条の刑事罰抜粋
(罰金)
第15条
 罰金は、1万円以上とする。ただし、これを減軽する場合においては、1万円未満に下げることができる。
(拘留)
第16条
 拘留は、1日以上30日未満とし、刑事施設に拘置する。
(科料)
第17条
 科料は、1000円以上1万円未満とする。


○死者をそのまま放置していた場合は、以下の刑法上の規定で死体遺棄の犯罪となり、3年以下の懲役になります。
(死体損壊等)
第190条
 死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する


○死者の埋葬については、墓地埋葬法で死亡後24時間を経過した後に、市町村長の許可を受けて、火葬の場合は火葬場で火葬し遺骨として、土葬の場合は遺体をそのまま墓地に埋葬しますが、これを市町村長の許可無しに行った場合は、前記刑法上の死体損壊罪に該当する可能性が出てきます。墓地埋葬法でも第21条「左の各号の一に該当する者は、これを千円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
一 第3条、第4条、第5条第1項又は第12条から第17条までの規定に違反した者」
との規定が適用され1000円以下の罰金・拘留・科料となります。死体損壊罪に該当した場合、この規定まで適用されることはないと思われます。

○船員法第15条・同施行規則第4条で、船長は一定の要件を満たした場合、船舶航行中の船内で死亡した場合、水葬に付することができるとされています。要件を満たさないで水葬した場合、船員法第126条「 船長が次の各号のいずれかに該当する場合には、30万円以下の罰金に処する。(中略)四 第15条の規定に基づく国土交通省令に違反して水葬に付したとき。」との規定が適用され30万円以下の罰金となります。但し、前記刑法第190条死体損壊罪に該当する可能性も出てきます。

○以上、病死及び自然死を前提に記述しましたが、自宅で階段から落ちて死亡した場合などは、上記規定だけでは済まされません。警察に届けて検視・検査等の手続が必要になります。関係条文は以下の通りです。
警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律
第4条(死体発見時の調査等)

 警察官は、その職務に関して、死体を発見し、又は発見した旨の通報を受けた場合には、速やかに当該死体を取り扱うことが適当と認められる警察署の警察署長にその旨を報告しなければならない。

第5条(検査)
 警察署長は、前条第1項の規定による報告又は死体に関する法令に基づく届出に係る死体(犯罪捜査の手続が行われる死体を除く。以下「取扱死体」という。)について、その死因を明らかにするために体内の状況を調査する必要があると認めるときは、その必要な限度において、体内から体液を採取して行う出血状況の確認、体液又は尿を採取して行う薬物又は毒物に係る検査、死亡時画像診断(磁気共鳴画像診断装置その他の画像による診断を行うための装置を用いて、死体の内部を撮影して死亡の原因を診断することをいう。第13条において同じ。)その他の政令で定める検査を実施することができる。


○誰かに突き落とされて階段から落ちて死亡した可能性があるなど犯罪も疑われる死亡の場合は、以下の刑事訴訟法の規定が適用されます。
刑事訴訟法第229条
 変死者又は変死の疑のある死体があるときは、その所在地を管轄する地方検察庁又は区検察庁の検察官は、検視をしなければならない。
2 検察官は、検察事務官又は司法警察員に前項の処分をさせることができる。
以上:2,424文字

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