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家事事件手続法の基礎の基礎-審判等の裁判・不服申立等備忘録

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令和 3年 4月15日(木):初稿
○「家事事件手続法の基礎の基礎-審判前の保全処分備忘録」の続きで、審判等の裁判についての備忘録です。
家事審判とは、家庭裁判所がする本案についての終局的な判断をする裁判で、民事訴訟手続の終局判決に相当

○審判の効力発生時期等
第74条(審判の告知及び効力の発生等)
 審判は、特別の定めがある場合を除き、当事者及び利害関係参加人並びにこれらの者以外の審判を受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。
2 審判(申立てを却下する審判を除く。)は、特別の定めがある場合を除き、審判を受ける者(審判を受ける者が数人あるときは、そのうちの一人)に告知することによってその効力を生ずる。ただし、即時抗告をすることができる審判は、確定しなければその効力を生じない。
3 申立てを却下する審判は、申立人に告知することによってその効力を生ずる。
4 審判は、即時抗告の期間の満了前には確定しないものとする。
5 審判の確定は、前項の期間内にした即時抗告の提起により、遮断される。

第75条(審判の執行力)
 金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付を命ずる審判は、執行力のある債務名義と同一の効力を有する。

第76条(審判の方式及び審判書)
 審判は、審判書を作成してしなければならない。ただし、即時抗告をすることができない審判については、家事審判の申立書又は調書に主文を記載することをもって、審判書の作成に代えることができる。
2 審判書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 主文
二 理由の要旨
三 当事者及び法定代理人
四 裁判所


夫婦の同居を命ずる審判には強制執行は認められない
子の引渡を命ずる審判については、意思能力の無い幼児については直接強制(民事執行法169条)を認める余地があるが一般的には間接強制(民執172条)の方法による
面会交流を命ずる審判については、給付が特定されていれば間接強制を認める

○審判の取消・変更
第78条(審判の取消し又は変更)
 家庭裁判所は、審判をした後、その審判を不当と認めるときは、次に掲げる審判を除き、職権で、これを取り消し、又は変更することができる。
一 申立てによってのみ審判をすべき場合において申立てを却下した審判
二 即時抗告をすることができる審判
2 審判が確定した日から5年を経過したときは、家庭裁判所は、前項の規定による取消し又は変更をすることができない。ただし、事情の変更によりその審判を不当と認めるに至ったときは、この限りでない。
3 家庭裁判所は、第一項の規定により審判の取消し又は変更をする場合には、その審判における当事者及びその他の審判を受ける者の陳述を聴かなければならない。
4 第一項の規定による取消し又は変更の審判に対しては、取消し後又は変更後の審判が原審判であるとした場合に即時抗告をすることができる者に限り、即時抗告をすることができる。

即時抗告ができる審判の是正は即時抗告のみによって行うべきであり、審判の変更・取消はできない

○審判に対する不服申立
第85条(即時抗告をすることができる審判)
 審判に対しては、特別の定めがある場合に限り、即時抗告をすることができる。
2 手続費用の負担の裁判に対しては、独立して即時抗告をすることができない。

(即時抗告期間)
第86条 審判に対する即時抗告は、特別の定めがある場合を除き、二週間の不変期間内にしなければならない。ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。
2 即時抗告の期間は、特別の定めがある場合を除き、即時抗告をする者が、審判の告知を受ける者である場合にあってはその者が審判の告知を受けた日から、審判の告知を受ける者でない場合にあっては申立人が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から、それぞれ進行する。

第87条(即時抗告の提起の方式等)
 即時抗告は、抗告状を原裁判所に提出してしなければならない。
2 抗告状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 当事者及び法定代理人
二 原審判の表示及びその審判に対して即時抗告をする旨
3 即時抗告が不適法でその不備を補正することができないことが明らかであるときは、原裁判所は、これを却下しなければならない。
4 前項の規定による審判に対しては、即時抗告をすることができる。
5 前項の即時抗告は、一週間の不変期間内にしなければならない。ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。
6 第49条第四項及び第五項の規定は、抗告状が第二項の規定に違反する場合及び民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い即時抗告の提起の手数料を納付しない場合について準用する。

第88条(抗告状の写しの送付等)
 審判に対する即時抗告があった場合には、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び利害関係参加人(抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。ただし、抗告審における手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認められる場合には、即時抗告があったことを通知することをもって、抗告状の写しの送付に代えることができる。
2 裁判長は、前項の規定による抗告状の写しの送付又はこれに代わる通知の費用の予納を相当の期間を定めて抗告人に命じた場合において、その予納がないときは、命令で、抗告状を却下しなければならない。

第89条(陳述の聴取)
 抗告裁判所は、原審における当事者及びその他の審判を受ける者(抗告人を除く。)の陳述を聴かなければ、原審判を取り消すことができない。
2 別表第二に掲げる事項についての審判事件においては、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者(抗告人を除く。)の陳述を聴かなければならない。


第93条により以下の規定を準用
第68条(陳述の聴取)
 家庭裁判所は、別表第二に掲げる事項についての家事審判の手続においては、申立てが不適法であるとき又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、当事者の陳述を聴かなければならない。
2 前項の規定による陳述の聴取は、当事者の申出があるときは、審問の期日においてしなければならない。

第69条(審問の期日)
 別表第二に掲げる事項についての家事審判の手続においては、家庭裁判所が審問の期日を開いて当事者の陳述を聴くことにより事実の調査をするときは、他の当事者は、当該期日に立ち会うことができる。ただし、当該他の当事者が当該期日に立ち会うことにより事実の調査に支障を生ずるおそれがあると認められるときは、この限りでない。


家事事件手続規則第55条(原審判の取消事由等を記載した書面)
 審判に対する即時抗告をする場合において、抗告状に原審判の取消し又は変更を求める事由の具体的な記載がないときは、抗告人は、即時抗告の提起後14日以内に、これらを記載した書面を原裁判所に提出しなければならない。
2 前条の規定は、前項の書面について準用する。

同第56条(抗告裁判所への事件送付)
 審判に対する即時抗告があった場合には、原裁判所は、抗告却下の審判をしたときを除き、遅滞なく、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。
2 前項の規定による事件の送付は、原裁判所の裁判所書記官が、抗告裁判所の裁判所書記官に対し、家事審判事件の記録を送付してしなければならない。


即時抗告審の裁判
第91条(抗告裁判所による裁判)
 抗告裁判所は、即時抗告について決定で裁判をする。
2 抗告裁判所は、即時抗告を理由があると認める場合には、家事審判事件について自ら審判に代わる裁判をしなければならない。ただし、第93条第三項において準用する民事訴訟法第307条又は第308条第一項の規定により事件を第一審裁判所に差し戻すときは、この限りでない。


○特別抗告-最高裁判所への不服申立
第94条(特別抗告をすることができる裁判等)
 家庭裁判所の審判で不服を申し立てることができないもの及び高等裁判所の家事審判事件についての決定に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。
2 前項の抗告(以下「特別抗告」という。)が係属する抗告裁判所は、抗告状又は抗告理由書に記載された特別抗告の理由についてのみ調査をする。

第95条(原裁判の執行停止)
 特別抗告は、執行停止の効力を有しない。ただし、前条第二項の抗告裁判所又は原裁判所は、申立てにより、担保を立てさせて、又は立てさせないで、特別抗告について裁判があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。
2 前項ただし書の規定により担保を立てる場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。
3 民事訴訟法第76条、第77条、第79条及び第80条の規定は、前項の担保について準用する。


特別抗告がなされても、原裁判の確定は遮断されず、この点は即時抗告の場合と異なる
以上:3,750文字

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