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アルツハイマー病になった父-旅立ちの日の思い出

平成19年11月 6日(火):初稿
○「アルツハイマー病になった父の思い出-人工透析後の変化」に記載したとおり、痴呆症で介護施設に居た父は、平成11年9月下旬に至り腎機能を失い、公立気仙沼病院に入院して人工透析を始め、その後、驚くべき変化が生じ、それ以前の数年間私を認識出来なかったものが、認識できるようになりました。

○しばらく小康状態が続き、医者の言葉では「脳がスカスカの状態」ですが、肺炎などの合併症状が出ない限り生命の危険はないと言われていました。しかし平成11年11月6日、父を見舞う予定はなかったのですが、朝から何となく胸騒ぎがします。

○午前中テニス終了後、昼食時にも、尚、胸騒ぎが続き、何か父の容態が気になり、予定を変更して家族で気仙沼に向かいました。夕方、公立気仙沼病院に着くと、病室には母、長姉、次姉が居て父を看ていました。母に父の状態を聞くと、朝から病室にある時計をじっと見ていると言いますが、特に症状に変化はないとのことでした。巡回した医者も特に症状に変化はないとのことで、ホッとして宿泊先のホテルに母と長姉、私の家族で夕食と取りに行きました。

○ホテルでチェックインをしようとすると父の病室にいる次姉から至急戻れとの電話が入っていると伝えられ、慌てて病院に戻り、駐車場に車を止めて病室まで一目散に走りましたが、病室までの距離の長いこと長いこと。

○病室では父が上半身裸で横たわり、担当医が父の上にまたがり懸命に心臓マッサージをし、心臓には心電図計がつけられ、微かに心臓は動いていました。次姉の話では急に容態が変わり、心臓も止まりそうになったので、家族が戻るまで持たせるとのことで医師が心臓マッサージをしているとのことです。

○私は父の顔を覗き込み、両肩に手をかけ「父ちゃん、父ちゃん」と大声で必死に叫びました。父は目を開けてホンの数秒間ですが、私の顔をシッカリ見てくれました。そして僅かにですが微笑んでくれたように見えると静かに目を閉じました。

○医師は心臓マッサージの手を止め、時計を見て、「ご臨終です。11月6日午後6時53分です。」と告げました。心電図計の流れに波動が無くなっていました。父は残した妻、長女、次女、長男の私と私の家族全員が揃ったところで、全員に看取られ旅立ちました。享年87歳でした。

○平成19年11月6日であれから丁度8年経ちました。父がこの世を旅立つ日を、仙台に居る私が気仙沼に帰ることが可能な土曜日まで持たせ、更に朝から私に知らせを送って私を呼び、朝から病室の時計をじっと時計を見つめて私が来るのを待ってくれて、旅立ちの瞬間、私を見つめて微笑みながら逝ってくれたと私は確信しています。私はこのように最後まで私に心を寄せてくれた父に心から感謝しています。
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