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有料弁護士紹介制度禁止と営業行為との関連論点提示予告

平成25年 3月19日(火):初稿
○「広告料を売上比例制とすることを禁止する理由雑感」の続きです。
弁護士は品位を保つ必要があり、且つ、法律事務・事件は国民の権利義務に関する業務で、所物品販売等一般の事業とは異なる特別のものであるから、「金に物を言わせての事件漁り」は厳しく禁止すべきとして、弁護士業務では平成13年まで広告すら原則禁止でした。また弁護士報酬も平成16年までは弁護士会規則で統一料金が定められていました。顧客誘因のために広告をせずともよく、料金も統一されていれば業者間の競争がないに等しくこれ程楽な商売はありません。そもそも弁護士業務は、商売ではないと考えられてきました。

○しかし商売ではないのに、弁護士業界の平均所得は、弁護士白書によると平成20年で約1600万円で、普通のサラリーマンの数倍に達し、「医者と弁護士」は、収入の高い職種の代名詞的に使われていました。料金は統一され広告も必要なく、さしたる営業競争も必要がなく、それで居て高収入が得られるとなれば、これ程楽な商売はありません。楽に稼げると商売は殿様化します。殿様化すれば反発を受けるのは必至で司法改革の美名の下、弁護士特権が次々と剥奪され、弁護士資格も価値が失われ、数年前まで3万人近くあった弁護士資格取得希望者は激減し、平成25年現在5000人程度に減りました。

○弁護士業務の①独占・②寡占・③競争排除の弁護士業務三大特権は剥奪され、弁護士資格の価値は激減し、資格だけでは食えない時代となったのに以下の弁護士法と弁護士職務基本規程はそのままで、弁護士業務の紹介制度は厳しく規制されたままです。

(弁護士法)
第9章 法律事務の取扱いに関する取締り
第72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)

 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

第73条(譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止)
 何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない。

第74条(非弁護士の虚偽標示等の禁止)
 弁護士又は弁護士法人でない者は、弁護士又は法律事務所の標示又は記載をしてはならない。
2 弁護士でない者は、利益を得る目的で、法律相談その他法律事務を取り扱う旨の標示又は記載をしてはならない。
3 弁護士法人でない者は、その名称中に弁護士法人又はこれに類似する名称を用いてはならない。

第27条(非弁護士との提携の禁止)
 弁護士は、第72条乃至第74条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。

(弁護士職務基本規定)
第11条

 弁護士は、弁護士法第72条から74条までの規定に違反する者又はこれらの規定に違反すると疑うに足りる相当な理由のある者から依頼者の紹介を受け、又はこれらの者を利用し、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。

同第13条
①弁護士は、依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価を支払ってはならない。
②弁護士は、依頼者の紹介をしたことに対する謝礼その他の対価を受け取ってはならない。


○平成13年に広告解禁となり、平成25年現在ではHP等での弁護士広告が相当なされるようになり、更に弁護士紹介サイトも増えて、弁護士事務所のこれらのサイトから毎月定額の登録料を支払っての登録勧誘が増え、更に厳しくなった弁護士業界に営業コンサルタントと称する方々の有料コンサル勧誘も相当増えつつあります。これらは全てお客様を増やす即ち営業の手伝いをしますとの勧誘です。有料ですから、前記弁護士紹介禁止との関係ではどこまで許されるのか問題になります。然るに、有料弁護士紹介サイトについては議論が始まりましたが、それ以外の有料営業補助と前記規制との関係の議論が殆どなされていません。別コンテンツに分けてその論点を提示していきます。


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