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映画「12人の怒れる男」に大感激

平成17年 6月26日(日):初稿
○6月26日正午を回りました。早朝テニス後、ブランチを取り、色々買い物をして帰ったところです。
仙台は6月にしては珍しく3日続きで30℃を超えるようで今日も蒸し暑い一日となりそうです。

○自称映画好きの私ですが、その割には本数はそれほど見ていません。LD時代から映画ソフトを買い集め、現在LD、ビデオ、DVDで集めた映画は1000タイトル近くあるはずですが、少なくともその3分の1は未だ見ておりません。ここ数年息子にせがまれるままに買い集めたタイトルは3分の1程度しか見ていません。色々やるべきことがあって2時間近く時間を取る映画鑑賞まで手が回らないことが多いからです。

○その見ていないものに「12人の怒れる男」がありました。昨夜就寝前30分ほど見て床につくも続きが気になり、更に蒸し暑さが加わり寝付けず、本日午前1時に起床して、最後まで鑑賞しました。

○1957年制作の評判の良い映画ですが、私の感想も正に「大感激」の一語でした。これほど感激し、感動した映画は、数年前に見た「ショーシャンクの空に」以来です。日本映画では「砂の器」以来です。

○この3月サンフランシスコ弁護士事情視察旅行でアメリカの法廷の民主化に感激してきたばかりなので、「12人の怒れる男」の中の陪審員の息詰まる遣り取りへの感激もひとしおなのかも知れません。

○兎に角、「映画はストーリー」の標語通り、練りに練られた脚本の凄さに舌を巻き、この脚本に忠実に各陪審員の性格を表現した俳優陣の迫真且つ自然な演技に感激しました。

○この映画を見ると刑事訴訟の当事者主義構造の意味がよく判ります。刑事裁判の教科書と言っても良い映画です。有罪と認定するには「合理的な疑いを入れない」程度(beyond a reasonable doubt)に立証する必要があり、無罪の可能性が少しでもある限り、有罪とは認定できません。

○12人の陪審員の中で当初唯一人無罪を主張した建築家デイビス(ヘンリー・フォンダ)は盛んに無罪の可能性(possible)を強調します。パッスィボ~、パッスィボ~という発音だけは聞き取れました。
デイビスは、「被告人の少年が、実際に殺人を犯しているのか,いないのかは判らない、しかし、有罪の証拠に少しでも疑問がある限りは有罪とは認定できない」と盛んに強調します。

刑事裁判での裁きの対象は、被告人の少年が実際に殺人を犯したかどうかの事実ではありません。あくまで「被告人の少年が殺人を犯した」と言う検察官の主張が、証拠によって合理的な疑いを入れない程度に立証されているかどうかを、見極めるのが刑事裁判です。その意味で裁かれるのは検察官です

○ここは法律学を勉強したことのない方には解りづらいところですが、この考えが、現代刑事裁判の鉄則の当事者主義の考え方であり、シナリオはこの考え方を骨太に貫いて構成されており、刑事訴訟の考え方の勉強にもなる素晴らしいお薦めの映画でした。

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