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弁護士業務の難しい点ー受任がはばかられる事件

平成23年11月10日(木):初稿
○「弁護士業務の難しい点ー価値観押し付けは避けるべきだろうが」を続けます。
弁護士業務で難しい点の一つに、受任すべきかどうか判断で、およそ勝ち目のない事件、勝ち目があるとしても実にならない事件があります。
弁護士業務の難しい点ー価値観押し付けは避けるべきだろうが」では、弁護士の価値観の相違で受任しない事件について私の場合の例を上げましたが、受任することがそのお客様自身の利益になるかどうか迷う場合も多々あります。

○Aさんから、その相手方Bさんに500万円請求したいとの相談を受けても、その請求根拠が薄弱で、訴えを出しても勝ち目がない場合、通常、その請求は先ず無理ですとお答えして受任しません。しかし、この「請求根拠が薄弱」かどうか、なかなか判断場難しい場合もあります。その「薄弱」の理由がそもそも請求自体が、法律の規定や判例上成り立たない可能性が強い場合は、判断も楽ですが、成り立つ可能性もあるが証拠に乏しい場合、その証拠価値判断が難しい場合、判断に迷うこともあります。

○私が,事件として受任するかどうか決める基準は、受任する以上弁護士費用がかかりますので、私の受任によってその弁護士費用のご負担を頂く程にそのお客様の利益になるかどうかです。弁護士費用を頂戴しても、その頂戴した弁護士費用を上回る利益がお客様には生まれないと判断した場合は、原則として受任しません。

○典型例は、Aさんは確かにBさんに対して500万円の請求権があることが法律上も、その証拠上も認められるけれども、Bさんの経済状態を確認すると、500万円支払えとの判決を取得しても全く或いは殆ど執行可能性がない場合です。500万円の訴えを出す場合の当事務所報酬基準では、着手金だけで31万5000円かかります。この金額を頂戴してもこの金額の回収すら明らかに難しいと判断される場合は、受任しません。但し、企業等で社内処理上或いは税務処理上どうしても判決を取得する必要がある等目的は、実際の債権回収ではなく、判決取得自体である場合は受任します。

○ところが、個人でそのような目的がなくても、全く回収できなくても良い、兎に角、このまま泣き寝入りするのは嫌なので判決だけは取って欲しいと、判決を取ることがその方の自己満足に過ぎない場合の依頼もたまにあります。このような場合は、その方の自己満足という利益があるのだから着手金を頂いても良いだろうと割り切って受任出来れば良いのですが、実際には、なかなか受任がはばかられます。

○と言うのは、このような例は、その依頼者が一時的に冷静さを欠いているが故に、後先を考えずに、依頼しようとしていることが多いからです。この冷静さを欠いた状態を良いことに、本来は、仕事にならないことを仕事にして着手金を貰うことに躊躇します。

○そこで、この事件での弁護士費用は全く無駄遣いにですが、どうも、小松弁護士が仕事がなくて困っているようだから、小松弁護士救済のためと割り切って依頼して頂けるのであれば喜んで受任しますよと、お伝えします。
ここまで言うと、誠に残念ながら、最終的には依頼して頂けず、小松弁護士救済になりません(^^;)。 
以上:1,297文字

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