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遺産預貯金当然分割説見直し平成28年12月19日最高裁判決差戻後判決紹介

○「遺産預貯金当然分割説の見直し平成28年12月19日最高裁判決全文紹介」の続きです。
遺産預貯金当然分割説の見直しの平成28年12月19日最高裁判決は、「原決定を破棄する。 本件を大阪高等裁判所に差し戻す。」としていましたが、その差し戻し後の平成29年5月12日大阪高裁決定(判タ1450号83頁)全文を紹介します。

○法定相続人らが当事者となって被相続人の遺産について遺産分割を求め、原審は、相続財産のうち預貯金は相続時に当然に法定相続人らに分割され、その他は原審申立人(抗告人兼相手方)の取得とするとの審判をし、原審申立人及び原審相手方(相手方兼抗告人)が抗告をし、二審は双方の抗告を棄却しました。

○原審申立人が許可抗告を申し立てたところ、平成28年12月19日最高裁判決は、共同相続された預貯金債権は、いずれも相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となるものと解するのが相当であるとして、二審を破棄し本件を差し戻していました。差し戻し後大阪高裁決定は、原審判を変更し、被相続人の遺産をすべて原審申立人の取得としました。

*********************************************

主   文
1 原審判を次のとおり変更する。
2 被相続人の遺産を次のとおり分割する。
(1)別紙遺産目録記載の財産をすべて原審申立人の取得とする。
(2)原審相手方は、遺産を取得しない。
3 手続費用は、第1審、差戻し前の第2審、許可抗告審及び差戻し後の第2審を通じて、各自の負担とする。

理   由
第1 抗告の趣旨
1 原審申立人

(1)原審判を取り消す。
(2)別紙遺産目録記載の財産は、すべて原審申立人の取得とする。

2 原審相手方
(1)原審判を取り消す
(2)別紙遺産目録記載の財産は、原審申立人及び原審相手方がそれぞれ2分の1の割合で取得するとの審判に代わる裁判を求めるものと解される。

第2 事案の概要(以下、略称は、本決定で付すもののほか、原審判に従う。)
1 事案の要旨

 本件は、法定相続人らが当事者となって被相続人の遺産について遺産分割を求めている事案である。原審は、相続財産のうち、預貯金については相続時に当然に法定相続人らに分割されるので、遺産分割の対象は別紙遺産目録記載1及び2の不動産だけであるところ、原審相手方は特別受益が5500万円程度ある超過特別受益者であるから、同不動産をすべて原審申立人の取得とするとの審判をした。これに対し、原審申立人は、遺産分割の対象から預貯金を除外したのは不当であると主張し、原審相手方は、原審相手方の特別受益を認定したのは不当であると主張して、双方が即時抗告をした。大阪高等裁判所は、原審の判断は相当であるとして双方の抗告を棄却する決定をしたことから(平成27年(ラ)第75号)、原審申立人が許可抗告を申し立てたところ、最高裁判所は、共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は、いずれも相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となるものと解するのが相当であるとして、大阪高等裁判所の上記決定を破棄して本件を同裁判所に差戻した(平成27年(許)第11号)。

2 前提事実
 本件の前提事実は、次のとおり補正するほかは、原審判「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の「1 前提事実」(原審判1頁末行から4頁末行まで)のとおりであるから、これを引用する。
(1)原審判2頁4行目から5行目にかけての「別紙遺産目録記載のとおり(以下「本件不動産」という。)である。」を「別紙遺産目録記載1から8までである(なお、同目録記載1及び2の不動産を併せて、以下「本件不動産」という。)。」と改める。
(2)原審判2頁6行目の「258万1995円(円未満切捨)である。」を「258万1995円(未満切捨。以下同じ)であり、この評価によることについて、当事者間に合意がある。別紙遺産目録記載8の外貨普通預金の当審の審理終結日(平成29年4月7日)における残高は36万5277.25ドルであり(甲67)、同日の為替相場(終値)は1ドル111.05円であるから、日本円に換算すると4056万4038円となる。」と改める。
(3)原審判2頁7行目冒頭から10行目末尾までを削除する。
(4)原審判2頁12行目の「当庁」を「大阪家庭裁判所」と、13行目の「本件審判手続」を「原審の審判手続」とそれぞれ改める。
(5)原審判2頁17行目の「価額合計約4996万円」を「価額合計約4956万円」と改める。
(6)原審判3頁20行目の「Cの相続人5名」を「被相続人他4名(被相続人他4名とする被相続人の署名と被相続人の押印がある。)」と改める。
(7)原審判4頁4行目の「弁護士費用等」の次に「(合計2163万4037円)」を、6行目の「B渡航費用」の次に「(137万8000円)」を、「休業補償」の次に「(1710万円)」を、同行末尾の「等」の次に「(合計3099万7780円)」を、8行目の「控除する」の次に「(控除後の残金は1億8068万6851円)」をそれぞれ加える。
(8)原審判4頁11行目の「変動に備える資金」の次に「(被相続人が993万2900円、原審申立人及びBが各86万9100円、D及びEが各37万2400円)」を加え、同行の「留保する。」に続いて「前記売却代金から消極財産を前記のとおり控除した金額について各相続人への配分額を決定し、この資金留保分を控除した受取金額は、被相続人が3523万8813円、B及び原審申立人が各4430万2613円、D及びEが各2221万3456円とされた。」を加える。
(9)原審判4頁23行目から24行目にかけての「「4.2000万円」と」の次に「読める金額が」を加える。

3 原審相手方の抗告理由の要旨
(1)Bも原審相手方も、被相続人から何の贈与も受けていない。
(2)仮に代襲される相続人であるBに特別受益があるとしても、当然に代襲相続人である原審相手方が特別受益を持ち戻す義務を負担することはないし、原審相手方が経済的利益を受けているともいえない。
(3)仮に原審相手方に特別受益があるとしても、被相続人は原審相手方を可愛がっており、原審申立人と養子緑組したにもかかわらず、Bとの死後離縁許可の申立てを取り下げたことは、被相続人が原審相手方に自己の遺産を相続させたいという強い意志を示すものといえ、特別受益の持戻しを黙示的に免除する意思表示をしたものというべきである。

第3 当裁判所の判断
1 認定事実

 判断に当たって認定した事実は、次のとおり補正するほかは、原審判「事実及び理由」中の「第3 当裁判所の判断」の「1 事実認定」(原審判10頁22行目から18頁4行目まで)のとおりであるから、これを引用する。
(1)原審判10頁末行の「〔4〕の不動産」を「《所在略》の合計3筆の土地(以下「〔4〕の不動産」という。)や《所在略》の土地」と改め、同行末尾の「後記(3)のとおり、」の次に「〔4〕の不動産については、」を、11頁1行目の「G」の次に「(以下「G」という。)」をそれぞれ加える。

(2)原審判11頁5行目冒頭から18行目末尾までを削除する。

(3)原審判12頁6行目の「Gに対して」を「G等に対して」と、7行目の「同登記」を「同登記等」とそれぞれ改め、8行目の「前記2(1)イ(ウ)の訴訟。」を削除する。

(4)原審判12頁13行目の「昭和63年は」から17行目末尾までを削除する。

(5)原審判12頁24行目の「また、」から13頁1行目末尾までを削除する。

(6)原審判13頁2行目冒頭から10行目末尾までを、次のとおり改める。
 「(5)被相続人の手書きのメモ(以下「本件メモ」という。)には、昭和63年の協議書による〔2〕の不動座の売却代金につきCの相続人5名への各分配金額の記載があるほか
Bの分 88308930
     9932900
    98241830
iの土地 13263737
    113241830→アメリカへ持参
y ¥292300000→税金1億2000万円
 差引きした金額1億7230万円
 yのものだとアメリカへ
 ボツ(ボツ)送金していた
 当時はMMCで住銀(a)に預金していた」
との記載がある(甲5)。」

(7)原審判13頁14行目の「分配金の一部」を「分配金を含んだもの」と改める。

(8)原審判15頁9行目の「平成9年10月に500万円の引出」を「平成9年10月から11月にかけて合計540万円の引出し」と改め、11行目の「解約された」の次に「(甲20)」を加える。

(9)原審判16頁12行目の「昭和61年の覚書のプール金の原資とされ、」を削除する。

(10)原審判17頁12行目冒頭から15行目末尾までを削除する。

(11)原審判17頁末行の「当庁」を「大阪家庭裁判所」と改める。

2 特別受益について
(1)Cの相続に関する共同相続人の認識
ア 昭和61年の遺産分割協議及び昭和61年の覚書は、いずれも同年1月17日に相続が開始したCの遺産について、相続人であった被相続人、B、原審申立人、D及びEの合意に基づき、同時に作成されたものと認められるところ、遺産分割協議により上記Cの相続人5名が共有取得した〔1〕及び〔2〕の不動産のうら、〔1〕の不動産は、同年5月に売却されると同時に、被相続人が本件不動産を購入していることに照らし、昭和61年の覚書に記載されたとおり、売却して被相続人の安住の住居を確保する目的で共有取得とされたものであり、〔2〕の不動産も、昭和62年12月21日付けのC不動産の売買契約の対象の一つとなっていることから、売却する目的で共有取得としたものと認められる。

これに加え、〔3〕の不動産については、被相続人の単独名義とされている上、昭和62年12月21日、〔2〕の不動産とともに売却されたにもかかわらず、昭和63年の協議書では〔3〕の不動産の売却代金について一切触れられていないことを併せて考えると、Cの相続人5名の間では、〔1〕及び〔2〕の不動産については、同人らにおいて共有取得し、その他の財産については、被相続人が取得することとし、昭和61年の覚書においてCの遺産を処分するに当たって留保する旨合意された各種費用(原審相手方に与える遺産を含む。)に充てるための原資については、被相続人が単独で負担することとされたものを除き、〔2〕の不動産の売却代金を充てる旨合意されたものと認めるのが相当である。

イ なお、昭和61年の覚書における原審相手方に与える遺産の金額欄は空白であるところ、当該部分には手書きで「4,2000万円」と読める記載のほか、「35坪(父宅)3.500×1.200坪=4億2,000万円-税金《略》で支払ふ1億2,500万円位」「凡そ3億円也」と読める記載があるけれども、同記載は、その内容からして、〔3〕の不動産(土地)(甲2)に関連しての売却益を試算したものにすぎないと考えられる。

ウ ところで、被相続人が作成した本件メモには、〔3〕の不動産の売却代金である2億9230万円から税金1億2000万円を控除した1億7230万円を、原審相手方の分として分割してアメリカに送金していた旨記載されているほか、Bの分が、昭和63年の協議書でBが分配を受けるとされた6278万0613円(分配金4430万2613円、渡航費用137万8000円及び休業補償1710万円の合計)を2552万8317円超える8830万8930円に、同協議書で被相続人の留保分とされた993万2900円を加えた9824万1830円である旨記載されていることが認められ、これらの記載に加え、前記1において補正の上引用した原審判が認定するB及び被相続人の預金口座の開設や取引状況等を併せて考えると、被相続人は、〔3〕の不動産の売却代金から、〔2〕及び〔3〕の不動産の売却に伴う所得税を支出した上で、その残金をB及び原審相手方に取得させようと考え、原審相手方の分を含め、Bへ送金したものと認めるのが相当である。

(2)Bの特別受益の額
 前記1において補正の上引用した原審判が認定するとおり、平成2年6月の時点でB名義の預金口座に存在した預金は合計約1億3300万円であるところ、Bが昭和63年の協議書により取得することとされた額は6278万0613円であるから、これを超える少なくとも7021万円については、たとえ被相続人が原審相手方に、与える趣旨が含まれていたとしても、Bに対する生前贈与と評価すべき特別受益に該当するというべきである。

(3)原審相手方の具体的取得分
 前記(2)で説示したとおり、Bの特別受益は7021万円と認めるのが相当であるところ、別紙遺産目録記載1から8までの遺産の価額の合計は4570万3745円であるから、原審相手方の特別受益は,特別受益を持ち戻したみなし相続財産(4570万3745円+7021万円=1億1591万3745円)の約60%にも達する超過特別受益者であるから、被相続人の相続に関し具体的取得分を有さないというべきである。

3 原審相手方の抗告理由に対する判断
(1)原審相手方は、Bも原審相手方も、被相続人から何の贈与も受けていないと主張するが、Bに特別受益があることは、前記2において説示したとおりである。 

(2)原審相手方は、仮に代襲される相続人であるBに特別受益があるとしても、当然に代襲相続人である原審相手方が特別受益を持ち戻す義務を負担することはないし、原審相手方が経済的利益を受けているともいえないと主張する。
 しかし、代襲相続人は、その固有の権利として遺産を取得するのではなく、被代襲者が取得すべき遺産を取得するのであるから、被代襲者の特別受益の持戻し義務を引き継ぐというべきである。

(3)原審相手方は、仮に原審相手方に特別受益があるとしても、被相続人は原審相手方を可愛がっていたため、原審申立人と養子縁組したにもかかわらず、Bとの死後離縁許可の申立てを取り下げたものであり、特別受益の持戻しを免除すべき黙示の意思表示があったと主張する。
 しかし、前記1において補正の上引用した原審判が認定するとおり、被相続人は、Bの死亡により、老後をアメリカで過ごすことをあきらめ、老後の世話を原審申立人に託すために原審申立人と養子縁組をしたため、同申立てをしたのであって、原審相手方への相続と関連する申立てとは解されないから、申立てを取り下げたからといって、原審相手方の特別受益の持戻し義務を黙示的に免除したと解することはできない。

(4)以上のとおり、原審相手方の抗告理由は、いずれも採用できない。

4 以上の次第で、当審の認定、判断と異なる原審判を変更することとし、主文のとおり決定する。
裁判長裁判官 河合裕行 裁判官 永井尚子 裁判官 丸山徹

【別紙】遺産目録《略》
相続関係図《略》

以上:6,134文字

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